3月15日

 善と悪。
 いったいなんだろう。


 考えれば考えるほどわけが分からなくなる。


 社会の常識から考えると悪と捉えられるであろう行動をわたしは自分なりの善だと思って行ったことがたくさんある。今でも、その行動に後悔はないし、その行動に誇りは持っている。ただ、世間が善だと判断してくれるとは思えない。


 一番分かりやすいのは相方と付き合いだした頃のことだ。
 当時の相方には奥さんも子供もいた。
 だから、わたし達の関係は不倫というもので、世間からしてみたら悪の行動だったのかもしれない。
 ただ、わたし達は間違いなく愛し合っていしたし、後ろめたさなんてものも感じていなかった。
 わたしと相方は善の行動をとっていたのだろうか。それとも悪事を働いていたのだろうか。


 考えれば考えるほど分からなくなり、吐き気すらもよおす。


 相方ごめん。
 明日にはきちんと答えを出すからちょっとだけ待ってくれないか。


 そして、だれか善と悪の分別が付く人間がいるのならわたしに答えを教えて欲しい。

3月14日

今日は傷害年金の手続き。


ソレハワタシニトッテナニモシテイナイノトイッショ。

3月13日

眠。


昨日はあまり寝てない。
相方に手渡された宿題を片付ける為に。


その分、昼寝しようと思っていたんだけど、障害年金に係わる種類とやらの提出期限が明日だったことを思い出して書類作りに追われた。


面倒臭いよ~。
なんでも、初診から今の病院にかかるまでの全ての経緯を書かなきゃいけないらしい。
何年の何月何日からなんという病院にかかって、どんな治療を受けたのか。


そんなの覚えてないから!


そんなの覚えているからい脳が動いているのだったら障害年金なんて貰わないから!


取り敢えず一仕事終わったので、羅生門読み直して今日は寝ますzzz。

3月12日

今日はまともな日記が描けそうにない。
まあ、いつものことか。
具合が悪い訳ではない。


やらなくてはいけないことがあるのだ。


あなたは羅生門という小説を読んだことがあるかしら。
主人公である下人が飢えをしのぐため老婆の着物を剥ぎ取って消えていく。


「下人のとった行動は善か悪か。」


相方にそう問われた。
わたしは下人の行動を善とか悪とかで片付けるものではないと思うのだが。


別にわたし個人の意見を聴いているわけではないと言う。
恋愛小説の主人公の男が女にそう問われたときにどう答えるのかを考えろということらしい。


恋愛小説と羅生門とはいかにも相方らしい組み合わせだ。
今夜は夜を徹してでも答えを出さなくてはならないのだ。

3月11日

 人外のわたしは今日も闘う。
 相手はもちろん目の前の敵だ。
 自分との闘いなんてもうしない。そんなことは人のやることだ。


 今のわたしは絶滅寸前のネコ科の虎だ。剣歯虎というやつだ。
 異常に発達した前歯の牙だけを頼りに狩りをする。


 捕獲しなければいけない餌たちはどんどん進化して小型化していく。
 自分より大きな獲物を狩る為に太く、長くなった牙はもう不要なのだ。


 だけどわたしも狩りを続けなければ飢えてしまう。
 絶滅してしまう。


 その為に自分より身体の大きな生き物を見つけてはそれに噛み付く。
 ネズミを捕える能力はなくても、象に噛み付く牙は残っているのだから。
 執拗なまでに牙に固執するしかない。


 この牙は既に過去の遺産であり、残された誇りなのだ。


 人外のものにも誇りは必要なのだ。
 いや、人外だからこそ誇りにしがみ付かなくてはいけないのかもしれない。