2月19日
今日は定期の通院日だった。約2週間に一度はこのクリニックに足を運ばなくてはいけないのだけど、ここに来るたびに体調は悪くなる気がする。
わたしは統合失調症。相方は双極性気分障害。
同じクリニックの同じ先生に診てもらうようになってから、どのくらい経つのだろう。まだ一年も経たないと思うけど。
最近、わたしは記憶の方もたどたどしい。前の日になにを食べたか覚えていないなんて当たり前。酷いときには、今日の夕飯を食べたかどうか分からなくなる日も珍しくはない。
もちろん医者にはそのことは告げているのだけど、具体的に治療をしようとかそういう話にはならない。今は目の前の精神が不安定な状態を治すことに専念しようということになっている。
まったくこの病気から逃げ出したいと願い続けている。日々、不安や恐怖に怯えて、一日が始まるとき、終わるときには今日も下らない一日だと感じることは想像以上に辛いものだよ。
中馬 姫奈のことを考えている時間も精神に負担はかかるが、それを考えることすら出来ない日はもっと気分が悪い。一日という大切な時間を有意義に使えなかったという後悔はとても重苦しい。
それならば、これから寝るまでのわずかな時間だけでも努力をすればいいではないかと言われそうなものだが、悲しいかなどうしても体も頭も動かない日というものはあるものだ。大概、通院した日はそうなってしまう。
わたし達はなにをしにクリニックに通っているのだろう。この精神状態を回復させるためなのか、それとも薬を出してもらうためなのか。ゴールも見えないし、今どこを走っているのか、それとも歩いているのかも分からないというのは余計に不安感を煽る。
もうこんな状態が10年以上も続いているのだ。そろそろ勘弁してもらえないだろうか。わたし達がなにか罪を犯したというのなら全力で償うからさ。10年というのはなかなか長い刑期だよ。そろそろ檻から出たいと思うのだけれど、まだ許しの時間には程遠いのだろうか。
今夜はいつもより早く眠りたい。早く今日が終わって欲しいから。
だからといって明日を追っているわけでも、待ち望んでいるわけでもないのだけれど。
眠ったまま目覚めのときを迎えないのが一番幸せなのかもしれない。
神様。罪のない幼い子供の命を無駄に奪うのなら代わりにわたしの命で勘弁してもらえないだろか。