2月20日

中馬 姫奈の愛についての考え方を纏めるつもりだったのだが、それを文章にしていくうちに男が女に対する愛というものに変わってしまった。


ごめん。約束の日までに姫奈の欲も快楽も性も語ることは出来なかった。そこに辿り着こうとして必死にあがいて出来たものは男が女を愛するときに発する言葉だけだった。姫奈の言葉ではなくて姫奈の相手である龍平の言葉として使って貰えないだろうか。
 しかも、そうとう捻じ曲がった考え方だ。取り敢えず半分だけ読んでみては貰えないだろうか。残りの半分は今夜中に清書するよ。


 僕は姫奈のことを愛しているよ。抱き締めたいとも思うし、キスもしたいと思う。姫奈は綺麗で可愛い容姿をしているからずっと長い時間傍にいて見つめていたいよ。姫奈の写真をいっぱい撮っていつでも姫奈の姿を見つめることが出来たらいいなと思う。姫奈はとても可愛いよ。世界で一番だよ。心からそう思う。
 だけど、ボクは毎晩姫奈を抱きたいかと言えばそんなことはないのだ。綺麗な姫奈を汚したくないとかそういう綺麗ごとを言うつもりもないよ。姫奈を見ていても欲情しないんだ。女として魅力を感じないというわけではないよ。何度も言うけど君は綺麗だ。顔もスタイルも髪の毛もその声もどれをとっても世界で一番美しい。だけど、なぜか抱きたいという気持ちにならないのだ。
 僕は性欲の強い人間だ。それに女好きだと思う。学校や街を歩いていて少し可愛い女の子を見つけたらすぐムラムラする。抱きたいなってすぐに思う。抱きたいって言葉。ちょっと僕には上品過ぎるかな。可愛い女の子を見るとすぐにやりたいなって思うのだ。出来れば毎晩毎晩誰かとやりたい。でも、なぜか姫奈とやりたいなとは思わないのだ。姫奈は愛の対象ではあるけれど、性欲の対象ではないのだよ。
 どうして愛していない女の子とやりたくて、愛する君とはやりたくないと思うのか不思議だろう。僕だって不思議なんだ。
僕が姫奈に抱いてる感情は人々が口にする愛というものとは別のものの様な気さえする。
僕だってこれまで何度か人を愛したことはある。世間が口にする人並みの愛だったと思う。純愛の他に性欲という不純物が混じっていた。その愛の中には他にも色んな不純物が混じっていたのだ。独占欲とか、支配欲とか。純愛と不純物の割合が同じくらいだったのではないかな。その混合物のことを世の中では愛と呼んでいるんじゃないのかな。僕が姫奈に抱く愛の中身は純愛の濃度が特別高いのだ。確かに独占欲も支配欲も混じっている。嫉妬はするもの。君が他の男と話しているだけでも、苛立ちもするし悔しいという気持ちにもなる。ましてや君が他の男とSEXするなんて絶対に許せないよ。そんなことになったら相手の男だけじゃなくて君すら殺してしまいたくなるかもしれない。


 ね。穿った思想でしょ。わたしはこの男が言っていることが正しいことなのか、美しいことなのか、醜いものなのかも分からない。だけど、こういう人間がいてもいいとは思うんだ。

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