3月10日

相変わらず頭がズキズキする。
敢えて言おう。頭痛が痛い。


だけど、そんなことを気にする必要はない。
だってわたしは人ではないのだから。
身体が痛くても、心が苦しくても
ただただ、目の前の敵と戦わなければいけないのだ。
敵って何?
その点は安心だ。相方がいくらでも造り出してくれる。
いつでも身体を鍛えて、心を練り上げて敵に噛み付く準備をしなければならない。


その先に人外のわたしのなりたい姿がある。
左腕に掘った薔薇の入れ墨の淵をナイフで撫でると真っ赤な血が流れた。
これが黒くなる日がわたしの目標が叶う日なのかもしれない。


そう思うと笑いが止まらなかった。
ひとりでほくそ笑むくらいなら可愛げもあるのだろうが、
わたしは声に出して笑った。


人生の目的がはっきりするということは真におかしいことだ。

3月9日

今日は相方がパソコンに向かっている姿を久しぶりに見た。
回復したのだろうか。


わたしはまだ回復の兆しが見えない。
もとからこんな体だったんだよ。
今年に入ってから、やけに気分がいい日が続いただけだ。


相方の背中に向かって愚痴をこぼす。
あの人はわたしがどれだけ辛いのかはよく分かっているはずだ。
だからわたしを褒めてくれた。


「いいじゃないか。辛い時は休んでも。無理する必要は無い。お前はよくやっているよ。心も身体もボロボロにして日記を書いたり、コラムを書いたり小説にまで手をかけることが出来た。それで十分じゃないか。」


優しい言葉に聞こえるかもしれないけど、そんな温い言葉でないことはあの人の口から出る音を聞けば分かった。


相方に近付きたくて膝を引きずったまま近寄った。
相方はゆっくりわたしの方を見て、自分の座っている場所から1メートルくらい離れた場所にボールペンを置いた。


「そのペンからこっち側は死だ。人外の者だけが住む世界だ。人のまま入ってくるな。」


 そうだった。年明けにわたしが神社で手を合わせて祈ったのはなにものかにないたいと思ったからだった。わたしが想像していたそれも人の形はしていなかった。


「わたしの目が人のものとは違うものになればそっちの世界に入れてくれる?」


相方は返事をしてくれなかったが、わたしは今日から改めて人外のものとして生きていこう。

3月7日

今日でもう終わりにしますね


色んなこと

3月6日

久しぶりに泣いた。


あまりに苦しくて。


涙が止まらなかった。


相方がわたしに声をかけてくれたから。
自分はもっと苦しいはずなのに。
でも、優しい言葉なんかじゃない。


だけど、ほんの少しだけ力が湧いた。


明日こそはベッドから抜け出せますよう。

3月5日

 8年位前。


 わたしを頼っていた入院患者を見捨てたことがある。


 その男は1週間後に首をくくった。


 わたしはその罪を償っている最中なのか。